抜歯後の痛みとドライソケット
ドライソケットについて
親知らずやその他の歯を抜いた後に「ズキズキする激しい痛み」が数日後に現れる場合、ドライソケットと呼ばれる状態になっている可能性があります。以下に、ドライソケットの原因、症状、予防法、そしてなった場合の対処法を詳しく説明します。
ドライソケットとは
抜歯後、歯があった場所にできる穴は、通常「血餅(けっぺい)」という血の塊によって覆われ、傷口を保護しながら自然治癒が進みます。しかし、以下のような状況で血餅が形成されなかったり剥がれてしまった場合、穴がむき出しの状態になり、骨が露出して強い痛みが生じることがあります。この状態をドライソケットといいます。
- 血餅の役割:傷口を保護し、感染を防ぎ、自然治癒を促進する。
- 発生率:抜歯全体の2~4%程度。
ドライソケットの症状
- 抜歯後2~3日でズキズキとした激しい痛みが現れる。
- 痛みが1~2週間続き、その後徐々に軽減。完治まで約1か月かかる場合も。
- 強いうがいや喫煙、飲酒などが続くと、痛みが長期間続くことがある。
ドライソケットを引き起こす原因
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強いうがい・歯ブラシの刺激
抜歯後に強くうがいをしたり、歯ブラシで力を入れて磨くと、血餅が剥がれてしまうことがあります。また、舌で傷口を何度も触ることも良くありません。 -
飲酒・喫煙
- アルコール:血管を拡張させ出血しやすくなる。
- ニコチン:血管を収縮させ血流を悪化させるため、血餅が形成されにくくなる。
- 喫煙は免疫力を低下させ、感染リスクを高める要因にもなります。
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過剰な運動や入浴
血流が良くなりすぎると、血餅が剥がれたり出血が増える可能性があります。
ドライソケットの予防法
- 抜歯後は強いうがいを避け、軽く口をゆすぐ程度にする。
- 歯ブラシは患部に当たらないようにし、隣の歯を磨く際も優しく行う。
- 当日は入浴や激しい運動を控える。
- 飲酒や喫煙は最低でも2~3日間控える。
- 抜歯した部分を舌や指で触らない。
ドライソケットになったら
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痛み止めを使用する
市販の鎮痛剤を使用して痛みを和らげましょう。ただし、無理をせず早めに歯科医を受診することが大切です。 -
口内を清潔に保つ
患部を刺激しない範囲で、優しく口腔ケアを行います。冷やしすぎると血行が悪くなるため、患部の冷却には注意が必要です。 -
歯科医での治療
- 抗生物質や鎮痛剤を処方してもらう。
- 必要に応じて患部を消毒し、適切なケアを受ける。
早めの受診が重要
ドライソケットになると強い痛みが続きますが、適切な治療を受けることで痛みは1~2週間で緩和することが多いです。痛みを少なくし、早く完治させるためにも、気になる症状がある場合は早めに歯科医へ相談してください。
抜歯後の適切なケアが、ドライソケットの予防と早期治癒につながります。